アカコの備忘録。


by sarutasensei

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●鳳氣至純平『中山侑研究-分析他的「灣生」身分及其文化活動』(成功大學臺灣文學研究所)

※先月の清華大学のシンポジウムで知り合った鳳氣至純平さんから、修士論文を送ってもらう。台湾生まれの日本人二世=「湾生」のアイデンティティが、論の中心になっているんだね。アカコも、「二世」も含めた「植民地の日本人」の文学作品を、丁寧に見ていきたいと思っているから、読むのがすごく楽しみ。
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by sarutasensei | 2006-11-29 23:43 | 筆記

演劇文庫。

●清水邦夫『署名人/ぼくらは生れ変わった木の葉のように/楽屋』(ハヤカワ演劇文庫)
●エドワード・オールビー『動物園物語/ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(ハヤカワ演劇文庫)
●永山靖生『日米相互誤解史』(中公文庫)
●井上勝生『幕末・維新 シリーズ日本近現代史①』(岩波新書)

※アーサー・ミラーの『セールスマンの死』がめちゃくちゃおもしろかったので、ハヤカワ演劇文庫の新刊を購入。岩波新書のこのシリーズは、ちゃんと読みたいな。特に成田龍一の『大正デモクラシー』と吉見俊哉の『ポスト戦後社会』が期待できそう。
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by sarutasensei | 2006-11-29 23:35 | 買った本

金鶴泳が読むファノン。

f0091834_212068.jpg●金鶴泳『凍える口 金鶴泳作品集』(クレイン)

※ようやく読了。全717ページで2段組。これで3300円ならお買い得だな。
 ここに収録されている小説はどれも読んだことがあるけれど、270ページにもおよぶ「日記抄」が読みごたえあり。
 「あるこーるらんぷ」や「夏の亀裂」には、ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』が唐突に出てくるけれども、1970年の「日記」から、刊行されたばかりのファノンの訳本を、金鶴泳も読んでいたことがわかる。ちょっとした発見。1970年って、そういう年だったんだ。
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by sarutasensei | 2006-11-28 21:07 | 読んだ本

通販日和。

●色川大吉『昭和史世相篇』(小学館ライブラリー)
●安丸良夫『日本ナショナリズムの前夜』(朝日選書)
●萱野稔人『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社)
●高祖岩三郎『ニューヨーク列伝-闘う世界民衆の都市空間』(青土社)

※amazonとbk1から。
 色川と安丸の本は、『歴史の描き方 1』所収のひろたまさき論文の影響。
 amazonでは同時に中川五郎の新作『そしてぼくはひとりになる』も届く。嬉し。
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by sarutasensei | 2006-11-28 20:57 | 買った本

とっても今日的な演劇。

f0091834_20193261.jpg●アーサー・ミラー『セールスマンの死』(ハヤカワ演劇文庫)

※1949年の作品なのに、今日の社会を描いたような生々しさで一気に読んだ。
 敏腕のセールスマンだった主人公も、年老いた今では毎月のローンに追われる、リストラ対象者。基本給がゼロとなり、すべてが歩合給に変更されたため、身体に鞭打ってでも無理なセールスを続けなければならない。矜持と自己卑下の交錯。自慢だった息子も、今ではパラサイト状態…。
 この作品が1983年の中国で上演されたというけれど、いったいどんなふうに受容されたんだろう。ちょうど人民公社が活動を停止しつつある時期だけども。今日の中国では、とっても今日的な演劇だと思うけどね。
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by sarutasensei | 2006-11-27 20:39 | 読んだ本
f0091834_204494.jpg●梁英姫(ヤン・ヨンヒ)『Dear Pyongyang』(ディア・ピョンヤン)

※連日S劇場で開催中の「映像祭」に行く。これまた山形国際ドキュメンタリー映画祭に出品された作品。昨日の『水没の前に』もそうだけど、良質のドキュメンタリー映画って本当におもしろいね。今年、アカコが見た映画の中では、中村高寛の『ヨコハマメリー』か、この『Dear Pyongyang』がダントツだな。
 ヒロヒトの「苦悩」を描いたとかいうアレクサンドル・ソクーロフの『太陽』なんて、全然足元にも及ばない。キム・ドンウォンの『送還日記』も見たいなあ。

 ここんとこ毎日一作ずつ読んでいる金鶴泳にも、主人公の家族が北朝鮮へ「帰国」する場面を描いた作品がある。9万人以上にのぼる「帰国者」のなかには、「祖国」への「夢」だけではなく、映画の冒頭で指摘されていたように、日本での暮らしに見切りをつけた人たちも、数多くいたはずだ。
 もうちょっとこのあたりの経緯を知りたくなって、高崎宗司他編著『帰国運動とは何だったのか-封印された日朝関係史』(平凡社)を大学生協に注文する。

 だいぶ早く映画館に着いてしまったので、近くのタワレコで渋さ知らズの『渋全』を購入。これは完全にドライブの友。
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by sarutasensei | 2006-11-26 20:36 | 見た映画(など)

無題。

●赤川学『構築主義を再構築する』(勁草書房)
●高橋敏『幕末狂乱 コレラがやって来た!』(朝日選書)
●アーサー・ミラー『セールスマンの死』(ハヤカワ演劇文庫)

※よく行く本屋で。ハヤカワ演劇文庫なんてのが出てるなんて、全然知らなかった。
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by sarutasensei | 2006-11-25 19:52 | 買った本
f0091834_19381230.jpg●李一凡・鄢雨『水没の前に』

※S劇場で。昨日から「映像祭」をやっていて、山形国際ドキュメンタリー映画祭に出品された作品も4本上映されるうちの1本。10時半スタートなので、休日なのに普段通りに起きる。
 2009年に完成する三峡ダムのために、多くの町が水没してしまう。映画は、四川省奉節にカメラを据えて、移住に向けた町の人々を描いたもの。
 アカコも1986年に重慶から武漢、武漢から南京と船で下ったことがあるけど、途中で立ち寄った四川省万県が、ちょうどこんな感じの川沿いの町だった。万県って、トレチャコフの「吼えろ支那」の舞台になったとこ。重慶では、言葉がほとんど聞き取れなかったけれど、この映画のなかのセリフも、字幕なしではまったく分からない。
 それにしても、久しぶりに上海や北京とはまた違った中国の風景(人と人との交渉も含めて)を堪能した。長いし、これといったストーリーがあるわけじゃないけど、143分目が離せない映画。
 映画に出てくる小役人などは、移転先の住居選定にあたって、幹部も庶民もなんら区別なく平等にクジをひくのだ、などと言ってたけど、そんなわけないやん。シモジモもその辺は当然承知しているわけで、お互いのかみあわない(だけど小役人が、なんやかんやと丸め込んでしまうのは言うまでもない)交渉が、延々と続く。
 見終わった後、どっと疲れがでて、家に戻った後で長い昼寝。
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by sarutasensei | 2006-11-25 19:49 | 見た映画(など)
f0091834_23143416.jpg●酒井直樹編『歴史の描き方 1 ナショナル・ヒストリーを学び捨てる』(東京大学出版会)

※編者酒井直樹の「小序」と「日本史と国民的責任」が、圧倒的におもしろい。「応答責任」の問題や「後の祭」という意味での「ポスト」コロニアルなどなど、いつもながら付箋紙だらけ。
 酒井の文章の後で、「選良」たちの教育基本法「改正」の議論を読むと、あまりの落差に、同じホモサピエンスの発する言語とは思えなくなってしまう。
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by sarutasensei | 2006-11-24 23:30 | 読んだ本

アホクサ。

 金鶴泳の『凍える口』、酒井直樹編『歴史の描き方 1』を読む。  
 
 こんなニュースを発見。
沖縄県知事選、負けていたら特措法も…防衛長官明かす
久間防衛長官は23日、長崎市のホテルで講演し、沖縄県の米海兵隊普天間飛行場移設について、「知事選に負けたらどういう手でやるか、その時は法律を作り、一方的に県知事の権限を国に移してでもやらないといけないと思っていた。負けたら力づくでもやるという腹を持っていた」と述べた。
 19日の知事選で与党推薦候補が敗れれば、代替施設建設に向け、公有水面埋め立てに関する知事の許認可権を国に移す特別措置法の制定を目指す考えだったことを明かしたものだ。
 久間長官は「知事の意向を聞き、うまく調整しながらやっていく」と強調した。
(読売新聞) - 11月23日21時10分更新
 つい最近見つけた、こんな記事も超ムカツク。 
在留特別許可:高崎イラン人一家…法相が認めない意向示唆
最高裁で国外退去処分が確定した群馬県高崎市のイラン人、アミネ・カリルさん(43)一家4人が在留特別許可を求めている問題で、長勢甚遠法相は21日の閣議後会見で「人道、人権だと言えば、何でも法律を破っていいということにはならない」と述べ、在留を認めない意向を強く示唆した。
 アミネさん夫婦と長女は90~91年に来日し、二女は日本で生まれた。不法残留状態になり、強制退去処分が確定したが、「2人の娘は日本語しか話せず、イランでは生活できない。長女は大学進学も決まっている」として、法相に在留特別許可を求めている。
 21日の会見で長勢法相は「最高裁でも決着の着いた問題で、事情はあるにせよ、きちんとした対応をすべきことだと原則的には思っている。ぜひ理解をしていただきたい」と述べ、事実上一家に帰国を促した。【森本英彦】
毎日新聞 2006年11月21日 11時35分 (最終更新時間 11月21日 13時45分)
 彼らにとって、「法律」なんて所詮この程度のものでしかないのだ。「遵法精神」なんかチャンチャラおかしいや。
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【11.24追記】
 アミネ・カリルさんのニュースについて、ブログでどのように扱われているか検索したところ、日本は「法治国家」なので、法相発言支持っていうのが、圧倒的に多かった。ゲゲっ!
 まさかとは思うけど、アカコの文章の最後の箇所「彼らにとって」というところ、誤読する人はいないでしょうね。いちおう説明しておきますけど、ここで言う「彼ら」とは、防衛庁長官をはじめとするわれらが「美しい國」の指導者のメンメンのことであって、間違ってもアミネ・カリルさんたちのことではありませんので、念のため。
 この国の入国管理局がどれだけエゲツナイ役所であるのか、アカコも少しだけ知っているしね。
 でもさ、アカコは確信を持って言うけど、「遵法精神」に溢れていて、「不法滞在」の「不法」性を言いつのるコクミンの皆さんは、間違っても久間の発言を批判したりはしないんだろうな。
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by sarutasensei | 2006-11-23 21:53 | 筆記