目の覚めるようなポジショナリティ論。
2008年 01月 17日
●宮地尚子『環状島=トラウマの地政学』(みすず書房)
※戦争・原爆・奴隷制度・植民地化・自然災害・犯罪・性暴力・DVなど、深刻なトラウマを引きおこす「筆舌に尽くしがたい」できごとを言語化しようとするとき、ひとはどのようなポジションから声をあげるのだろうか。
「環状島」という隠喩によって、トラウマについて発言するさまざまなポジショナリティを読み解いたこの本、もとは『みすず』に連載したもので、門外漢にも読みやすい。
植民地研究なんかやっていると、「当事者」ではない研究者の「立ち位置」が問われることが多いんだけれども、この本の分析はとてもシャープで説得的だと思う。とりわけ第5章の「複数のイシュー化と複合的アイデンティティ」の部分、超おもしろかった。
※戦争・原爆・奴隷制度・植民地化・自然災害・犯罪・性暴力・DVなど、深刻なトラウマを引きおこす「筆舌に尽くしがたい」できごとを言語化しようとするとき、ひとはどのようなポジションから声をあげるのだろうか。
「環状島」という隠喩によって、トラウマについて発言するさまざまなポジショナリティを読み解いたこの本、もとは『みすず』に連載したもので、門外漢にも読みやすい。
植民地研究なんかやっていると、「当事者」ではない研究者の「立ち位置」が問われることが多いんだけれども、この本の分析はとてもシャープで説得的だと思う。とりわけ第5章の「複数のイシュー化と複合的アイデンティティ」の部分、超おもしろかった。
by sarutasensei
| 2008-01-17 21:46
| 読んだ本