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アカコの備忘録。


by sarutasensei
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アカコの「少々自慢」はこの一冊。

●EDI叢書中仕切り『少々自慢 この1冊』(EDI)

※林淑美の「改造社版『資本論』」と、岡崎武志「昭和五年版『岩波文庫目録』」がおもしろかった。

 アカコにとって「自慢」の一冊といえば、15年ぐらい前に、北京琉璃廠の古本屋「海王邨」で買った雑誌『天地』の揃いかなあ。その時に1500元で購入しているから、1元=15円で計算すると、23000円ぐらい。あのころ中国政府の奨学金が、一ヶ月800元ぐらいだった。博士課程に在籍する友人の中国人は、月額130元の奨学金だと言っていたころのオハナシ。

 『天地』は上海が日本に占領されていた頃、張愛玲とならぶ人気作家の蘇青が一人で発行していた雑誌。1943年10月の創刊号は、5000冊をあっという間に売り尽くしてしまう人気ぶり。占領期上海を代表する散文雑誌になった。1945年6月に第21期を出して停刊。後半は、紙の質が劣化していくのがよく分かる。
 1944年8月の第11期から、張愛玲が描いた絵が表紙を飾っていて、とてもかっこいい。

 今日、日本の協力者として批判されている汪精衛政権の要人の多くがこの雑誌に執筆しているけど、やっぱり蘇青の文章がとてもおもしろい。60年以上昔の雑誌って、独特の「臭い」もあって、これもいいんだなあ。
by sarutasensei | 2006-09-15 01:47 | 読んだ本