アカコの備忘録。


by sarutasensei
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こんなに安く。

●池田浩士『ファシズムと文学-ヒトラーを支えた作家たち』(インパクト出版会)
※「池田浩士コレクション」の一冊をAMPで購入。出たばかりの本(本体価格4600円)が3280円+340円。ぜんぜん読んだ形跡なし。タイトルにもなった白水社版の『ファシズムと文学』は品切れで入手できず、図書館で借りて何度か読んだ懐かしい本。
 パラパラと眺めているうちに、「あとがき」に、いかにも池田浩士らしい、こんな一節を見つけた。
 ナチズム研究の近年における隆盛が、ドイツにおける「歴史修正主義」や日本における「自由主義史観」の破廉恥と必ずしも軌を一にしているわけではない。多くのナチズム研究は、ナチズム容認とは反対の方向でなされている。しかし、日本でも話題になった『ヒトラー最期の12日間』と『白バラの祈り』という二つの映画が典型的に物語っているように、たとえナチズムの肯定や美化をまったく意図してなどいないとしても、歴史的過去と現在の自分自身とを無関係のものとして過去を見るやりかたが、あまりにも蔓延していると言わざるをえない。(中略)自分はかれら抵抗者たちを孤立させた側の人間であるという自覚、「法治国家」の「法」に盲従して、「法」に抗するどころか疑うこともしない生きかたに終始してきたのが自分であり、いまなおそうであるという自覚は、映画の制作者たちからもドイツ人観客からも、すっぽりと抜け落ちている。ナチズムの罪業を、そしてそれと歩みをともにした日本天皇制の責任を、厳しく剔抉することは、いくらそれをしてもそれで充分であるということはない。しかし、その追及が追及者自身を埒外に置いたままなされるとすれば、歴史の現場はついにその生きた相貌をあらわにすることはないであろう。
(pp.453~454)

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by sarutasensei | 2006-07-11 21:44 | 買った本