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アカコの備忘録。


by sarutasensei
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運命的な論文って、あるんだよ。

●松永正義『台湾文学のおもしろさ』(研文出版)
※学会会場で2割引で購入。「あとがき」にも書いてあるけど、近刊予告が出て10年目にして、待望の出版。
 学部の2年生のときに、ここにも収録されている「台湾文学の歴史と個性」を読んで、台湾文学を卒論のテーマにすることを決定した、アカコにとっては運命的な、そして衝撃的な論文。これを読むまでは、植民地時代に台湾人が日本語で文学活動を行っていた、なんて全然知らなかった。田中克彦の社会言語学や、在日の文学者の表現、それに竹内好の「中国の近代と日本の近代」など、そのころ興味を持っていたいくつかの事柄を、いっきょに繋ぐ切り口を見つけたような気がした。
 「目から鱗が落ちる」と言うけれど、何かが分かる快感って、本当に身体にひびく心地よさなんだと、実感したっけ。
 それにしても「あとがき」に、「今回校正のために全体を読み直してみて、正直のところ少しがっかりした」なんてこと、書くか?でもそこに書かれている、文学の可能性への幻滅は、アカコもよく分かるよ。
by sarutasensei | 2006-06-03 22:03 | 買った本