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アカコの備忘録。


by sarutasensei
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再起動。

 高速道路が混まないうちに早めに年休をとって、一週間帰省。おととい帰宅。昨日は運転疲れで、寝て過ごした。人見知りをするうーこは今回も緊張していたのか、自宅に戻ってからは寝てばかり。

 今日からようやく美談と流言論文にむけた作業を再開。手はじめに新刊の文庫本をささっと読む。

再起動。_f0091834_20334142.jpg●田山花袋『東京震災記』(河出文庫)

 初刊は震災の翌1924年。震災時の流言について、何かつかえそうなものはないかと思ったのだけれど、その点は期待はずれ。「社会主義者が非常に活躍しているということですよ」(p.26)とか、ガスタンクを爆発させようとしている不審人物のこととか(pp.59-60)、おきまりの「不逞鮮人」ネタも(p.150、p.193、p.224)拾えないわけではないのだけれど。

 それよりも、震災後に持ち上がった遷都論を議論するなかで、「海からやって来る強敵」に話が及ぶところがおもしろかった。
「飛行機でもやって来る段になると、とてもこの地震の比ではないそうだね。この東京などは、一度で滅茶々々になってしまうってね?」(中略)「太平洋中の飛行母艦から爆弾を載せた恐ろしい飛行機が何度となく飛んでくるさまがはっきりと私の眼に映って見えた」(p.234)
というのだから。
by sarutasensei | 2011-08-14 21:00 | 読んだ本