良い社説。
2011年 01月 16日
アカコん家がとってる『東京新聞』、今日の「現実的と迫る“暴力”」と題する社説はとても良かった。ネットではそのうちに読めなくなってしまうのだろうから、今のうちにメモ。
「現実的」という言葉で、アカコがまず思い浮かべるのは、白井愛のこの詩だな。
金曜日に退院した同居人と、今日は国分寺まで買い物へ。アカコは本屋で文庫と新書を。
●フェーリクス・ザルテン『バンビ-森の、ある一生の物語』(岩波少年文庫)
●西川祐子『私語り 樋口一葉』(岩波現代文庫)
●吉田健一『東京の音』(ちくま学芸文庫)
●武田尚子『チョコレートの世界史-近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』(中公新書)
読んだ本。
●岡本隆司『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ)
タイトルはどうかと思うけど、さすがは『世界のなかの日清韓関係史』の著者。ここんとこ『我的日本語』とか『文学者たちの大逆事件と韓国併合』みたいなハズレ本が続いていたので、なおさら。
社会的現実は矛盾する諸要素の組み合わせです。表面的な既成事実に固執せず、隠れた部分を探る姿勢、新局面を切り開く努力が前進につながります。
「沖縄の皆さんにとって辺野古はベストの選択ではないが、実現可能性を考えたときベターな選択ではないか」-米軍普天間飛行場の辺野古移設に関する菅直人首相の発言は、「理想的」「現実的」と読み替えが可能です。ここに沖縄県民は「国家の暴力」のにおいを感じ取ったことでしょう。
公権力者は、現実的と称してしばしば自分たちが選択した既成事実を押しつけるからです。
◆「既成事実」と同義語に
政治学者の故丸山真男氏は「現実とは本来、一面において与えられたものであると同時に、他面で日々作られるものなのに、日本で“現実”という時にはもっぱら前者のみが前面に出る」と論じました(「現実」主義の陥穽(かんせい)=「現代政治の思想と行動」所収)。この国では通常、現実と既成事実は同義語のように扱われるのです。
菅首相は、いや民主党政権は、新たな現実を切り開く努力もろくにしないで、辺野古移設を容認させようとしています。
「最低でも県外」と公言しながら県民の期待を裏切った鳩山由紀夫前首相は、その責任を感じないかのように党内抗争に加わり、後継の菅政権を批判しています。
長年、政権の座にあったのに問題を解決できなかった自民党も同罪です。
実は、社会的現実は矛盾するさまざまな要素で構成されていますが、「現実を直視せよ」などという時はある側面だけが強調されます。特に日本では、その時々の支配者、強者が選択する側面が「現実的」とされ、対抗する側の選択には「観念的、非現実的」というレッテルを貼られがちです。 これも丸山氏の指摘通りです。(中略)
◆解決に欠かせない視点
社会的現実は眼前の事実だけでなく、表には現れない部分なども含む多面体である。権力を握る側が特定の既成事実の受け入れを迫るのは、迫られる側にとって暴力に等しいこともある。沖縄は「人間の住んでいる島」である。
普天間問題の解決にはこれらの視点が欠かせません。
「現実的」という言葉で、アカコがまず思い浮かべるのは、白井愛のこの詩だな。
金曜日に退院した同居人と、今日は国分寺まで買い物へ。アカコは本屋で文庫と新書を。
●フェーリクス・ザルテン『バンビ-森の、ある一生の物語』(岩波少年文庫)
●西川祐子『私語り 樋口一葉』(岩波現代文庫)
●吉田健一『東京の音』(ちくま学芸文庫)
●武田尚子『チョコレートの世界史-近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』(中公新書)
読んだ本。
●岡本隆司『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ)
タイトルはどうかと思うけど、さすがは『世界のなかの日清韓関係史』の著者。ここんとこ『我的日本語』とか『文学者たちの大逆事件と韓国併合』みたいなハズレ本が続いていたので、なおさら。
by sarutasensei
| 2011-01-16 22:01
| 筆記