絶賛。
2009年 03月 12日
●大木康『中国明末のメディア革命-庶民が本を読む』(刀水書房)
※おもしろいっす、この本。
鮮やかなメディア論的切り口は、『明末のはぐれ知識人』(講談社選書メチエ)以来、この著者の魅力だけど、今回の本でアカコがいちばんおもしろかったのは、「線装の成立」の部分と「明朝体」の登場を論じた箇所。
宋代の版本では、版木を彫る職人(「刻工」)の名前が記されているのに対して、明版ではそうした事例は少なくなっている。それは明代になると、版木制作を高速化するために(それはもちろん明末の書物需要の広がりが背景にある)、ひとりの刻工が一文字ずつ彫るという従来のスタイルではなく、文字の縦方向を彫る職人と横方向を彫る職人の分業体制が成立したためなのだという。
横画と立画をできるだけ直交させるようにした「明朝体」とは、新たに登場した分業体制にふさわしい字形なんだって。
※おもしろいっす、この本。
鮮やかなメディア論的切り口は、『明末のはぐれ知識人』(講談社選書メチエ)以来、この著者の魅力だけど、今回の本でアカコがいちばんおもしろかったのは、「線装の成立」の部分と「明朝体」の登場を論じた箇所。
宋代の版本では、版木を彫る職人(「刻工」)の名前が記されているのに対して、明版ではそうした事例は少なくなっている。それは明代になると、版木制作を高速化するために(それはもちろん明末の書物需要の広がりが背景にある)、ひとりの刻工が一文字ずつ彫るという従来のスタイルではなく、文字の縦方向を彫る職人と横方向を彫る職人の分業体制が成立したためなのだという。
横画と立画をできるだけ直交させるようにした「明朝体」とは、新たに登場した分業体制にふさわしい字形なんだって。
by sarutasensei
| 2009-03-12 22:41
| 読んだ本