アカコの備忘録。


by sarutasensei
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読まずに批判する本。

 アカコがとっている地方紙は、土曜日に「読書」欄があって、毎週ちょっと楽しみにしている。
 今日、峯陽一(大阪大学助教授)が、ジェフリー・サックスの『貧困の終焉』(早川書房)を書評しているのを読んだ。それによると、
人気ロックバンドU2の歌手ボノが序文を書いていることもあり、多くの読者を得ている本だ。/基本哲学は、オーソドックスである。途上国の貧しさを、遅れた文化や生活態度のせいにしてはならない。人間は本来、誰にでも同等な潜在力がある。/人々の貧しさは、厳しい地理的条件のせいだ。一度だけ、大規模な援助を投入しよう。そして最貧国をグローバル経済に統合しよう。人々がはしごの下段に足をかけることができたら、後は自力で上昇できる。(後略)

 評者は、「サックス教授の志の高さには、反駁の余地はない」とか、「率直に感銘を受けた」とか述べているけれど、この紹介を読む限り、これはトンデモ本と言うしかないのではないか?
 「途上国の貧しさ」は「厳しい地理的条件のせい」?この「志の高」いらしい著者は、コロンブス以後、何世紀にもわたる植民地支配など、まったくなかったかのように、「先進国」が「途上国」からの収奪なしに「発展」できたかのように、「一度だけ」施しを与えてやろうと言うのだ。こういうことを、「盗人猛々しい」と批判するのならともかく、大阪大学のセンセイは、「感銘を受け」てしまうのだから。まあ、ヒトが何に感銘を受けようが勝手と言えば勝手なんだけど、新聞に発表するものなんだからねえ。2001年にダーバンで開かれた「反人種主義・差別撤廃世界会議」では、奴隷制度への補償を西洋に要求するという、画期的な提案がなされたというのに。
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by sarutasensei | 2006-07-08 21:35 | 筆記

いろいろと。

●上村忠男『韓国の若い友への手紙』(岩波書店)
●『岩波講座 アジア・太平洋戦争 8 20世紀の中のアジア・太平洋戦争』(岩波書店)
●『季刊 at 4号 特集:フィリピンの「対抗的政治社会運動」批判』(太田出版)
●三木卓『柴笛と地図』(集英社文庫)
●奥村和一・酒井誠『私は「蟻の兵隊」だった』(岩波ジュニア新書)
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by sarutasensei | 2006-07-08 21:16 | 買った本
●『前夜 8号 特集:「格差社会」の深層』(影書房)
※ようやく週末。収録されているカナファーニーの小説でも読むか。

 月曜日に見た『ホテル・ルワンダ』。なんとなく「気持ちの悪さ」が残っていて、まだグズグズと考えている。よくまとまらないのだけれど、フツ族とツチ族の対立を利用して統治していたドイツやベルギーの長年にわたる植民地責任はまったく言及されずに、フツ族の残忍さだけが前面に出ていること。むしろ西洋は国連「平和維持」軍として登場し、フツ族の暴虐からツチ族を守る役割(のみ)を演じていること、などなど。やっぱり腑に落ちないところいくつもあるなあ。
 まあ、おもしろい箇所を挙げるとすれば、西洋にとって、アフリカ人の運命などなんら問題ではないという「本音」を、「白人」の口を通して率直に語らせたところかな(だからアフリカ人がエイズでどれだけ死のうが、ぜ~んぜん関係ないのだ)。そうした西洋のアフリカ認識にもかかわらず、命がけで主人公たちを「救う」オリバー大佐の存在は、西洋の観客にとって、とても心地よいものだったんじゃないかな。そしておそらく、植民地責任なんか自分たちとはぜ~んぜん関係ないと思っている多くの日本の観客も、簡単に感情移入できたりして。

 北朝鮮のミサイル発射を、一番(か、どうかはさておき)喜んでいる一人は、安部晋三であることは、間違いないと思う。ひそかにガッツポーズでもしてんじゃないの。どうでもいいけど、「アベシ」「アベシ」って連呼されると、「北斗の拳」を思い出すのは、アカコだけかしらん?安部氏の秘孔を突いて、「お前はもう死んでいる!」って言ってやりたいのはやまやまだけど、こんなこと書くと、「凶暴」罪に問われかねないので、ミセケシに。「これで総理へ大きく近づきましたね」なんてヨイショする記者はいるはずないから、検証はできないけれど。あと、防衛庁のヒトビトや米軍も、日本にパトリオット(愛国者)を配備する格好の口実ができて、ホクホクだろう。
 そのほかにはイスラエルもね。発射に失敗したヘナチョコミサイルに、日本やアメリカがいきり立っている一方で、パレスチナを空爆しようが、民間人を「誤殺」しようが、一切おとがめなし。パレスチナに関しては、P-naviを参照。
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by sarutasensei | 2006-07-07 21:02 | 買った本

逃避する日々。

f0091834_1301545.jpg●小沢牧子・中島浩籌『心を商品化する社会-「心のケア」の危うさを問う』(洋泉社新書Y)

※関西から帰ってきてから10日も経つのに、なんか気が抜けて論文関係の勉強から逃避する日々。まあ、授業なんかも忙しいといえばそうなんだけど。
 テレビはほとんど見ないアカコでも、なにか「事件」が起こるたびに、「心の教育」とか「心のケア」とか「心の闇」とか、鬱陶しい言葉をやたらと耳にする気がする。この本は、そういったカウンセリングの危うさを論じたもので、いろいろ教えられることが多かった。典型的な「岩波」知識人である河合隼雄がやっていることも。
 ただ小沢が、河合が作成に関わった「心のノート」を批判するときに、「愛国心」への親和性を問題にするのは当然としても、「もちろんわたしたちは、生まれ育った土地に愛着を持つ。「お国なまり」になつかしさを覚え、ふるさとの味に親しむ。(中略)その気持ちは自然なものだ。」(pp.114-115)と言っているのは、まったく賛成できない。何の根拠があって、「その気持ちは自然」だと言えるのか?「その気持ちを」共有しない/できないのは「不自然」なのか?なぜ、そうした感情を「自然」だと感じてしまうのか?こうしたことに無頓着な文章って、アカコはぜんぜん駄目だと思うな。
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by sarutasensei | 2006-07-07 01:44 | 読んだ本
f0091834_22385474.jpg●モナ・アハメド『インド 第三の性を生きる-素顔のモナ・アハメド』(青土社)

※インドの去勢男性集団(ヒジュラ/ユーナック)の一員であるモナ・アハメドが語る半生の記録。女の子のようにふるまう「彼」に対する父親の無理解と暴力。家族から絶縁され、ヒジュラの仲間に入るものの、そこからもやがて追放された「彼」の寂しさが、モノクロ写真と手紙から伝わってくる。違うといえばぜんぜん違うんだろうけど、白先勇の 『孽子』とも、どこか相通じるような雰囲気のある一冊。
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by sarutasensei | 2006-07-06 22:50 | 読んだ本

古本三昧。

●ナワル・エル・サーダウィ『0度の女-死刑囚フィルダス』(三一書房)
●ナワル・エル・サーダウィ『イヴの隠れた顔-アラブ世界の女たち』(未来社)
●『シカゴ福万-中国朝鮮族短篇小説選』(高麗書林)

※岡真理の『棗椰子の木陰で』を読んで、欲しくなった本が届く。新刊書もそうだけど、それ以上に古本をネットで検索して注文できるようになったのは、本当に便利になったもの。今までなら勤務先のしょぼい大学図書館を通じて、他大学に貸借依頼をしないと読めないことが多かったからね。隔世の感。
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by sarutasensei | 2006-07-05 21:43 | 買った本

羨ましい部屋。

f0091834_1273812.jpg●内澤旬子『センセイの書斎』(幻戯書房)

※先月、神保町のアクセスで買った著者サイン本。本体価格2200円なのに、品切れのせいかamazonのマーケットプレイスで3850円の値段がついてる。ヘヘン。アカコの持ってるサイン本ならもっと高いかもね。
 31人の「センセイ」たちの書斎を、ものすごく細かいイラストで描いた本。それぞれすごく個性的で、いい感じの部屋が紹介されている。佐高信の部屋だけは汚すぎだけど。やっぱり整理が行き届いた本棚や書斎って美しいわ。アカコが一番憧れるのは、月の輪書林の「書斎」。津野海太郎の部屋も機能的で使いやすそう。いいな~。今度の夏休みは、スチールラックを何本か買って、床に積んでいる本をならべるかなあ。でも本を買うのと違って、本棚買うのって、なんかもったい気がするんだよね。
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by sarutasensei | 2006-07-05 01:40 | 読んだ本

もったいない。

f0091834_22321341.jpg●佐藤卓己『メディア社会-現代を読み解く視点』(岩波新書)

※『京都新聞』に連載したものをもとにまとめたもの。まあ、ふ~ん、て感じ。佐藤卓己なら、『『キング』の時代』の方がずっとおもしろいよ。今どきの新書ならこの程度で仕方ないのかなあ。変に期待する方が、そもそも間違ってるのかもしれないなあ。
 それにしても、テレビは今や、「情報弱者」のメディア(「テレビを長時間視聴しているのは、育児放棄された子供や寝たきり老人に象徴される社会的弱者であり、活動的な情報行動とテレビ視聴時間はおおむね反比例する」p.179)らしいけれども、2003年の時点で、関東地域の場合、個人テレビ視聴時間は週平均で一日4時間7分!これでも短縮傾向なんだって!しかも、ハードディスク内蔵型DVD録画機を利用する人の場合、2005年の時点で、再生時間も含めると週に2時間9分増加したそうな(p.181)。うわ~、人生もったいな~い。まあ、ヨソサマの「趣味」だから、どう過ごそうと勝手なんだけど。それにしたって…
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by sarutasensei | 2006-07-04 22:50 | 読んだ本
●『岩波講座 「帝国」日本の学知3:東洋学の磁場』(岩波書店)
●『岩波講座 「帝国」日本の学知5:東アジアの文学・言語空間』(岩波書店)
●DeMuusic Inter編『音の力 沖縄アジア臨界編』(インパクト出版会)

※分厚い本を3冊、大学生協で購入。とりわけ『東アジアの文学・言語空間』は、積んでおかずにすぐに読まなければならない本。まあ、そんなのばっかりだけど。
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by sarutasensei | 2006-07-04 20:01 | 買った本

シンドイ~。

f0091834_22351771.jpg●テリー・ジョージ『ホテル・ルワンダ』
※S劇場で。息つく間もない2時間強の映画、疲れた~。でもこの映画もそうだけど、どうして簡単に「家族愛」の物語、とまとめたがるのかなあ。営業上の戦略なのかしらん。予告編で出てきた映画、全部そんな感じだった。
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by sarutasensei | 2006-07-03 22:39 | 見た映画(など)