アカコの備忘録。


by sarutasensei
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●鹿野政直『岩波新書の歴史』(岩波新書)
※新書ブームらしいけど、昔にくらべて、読み続けられるものは減ったと思う。一読したらそれで終わり。岩波の青版と昔の中公新書が、字も小さいし読みごたえもあって、アカコは好きだったけどな。
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by sarutasensei | 2006-06-08 22:43 | 買った本
f0091834_1594243.jpg●松永正義『台湾文学のおもしろさ』(研文出版)
※1949年生まれの著者とアカコとは、年齢にだいぶ開きがあるけれど、台湾文学を「おもしろい」と感じる問題意識なんかは、よく分かる気がする。まあ、こっちの一方的な「片思い」なのかもしれないけれど。
台湾の日本近代史における意味は、けっして倫理的責任論の領域にのみとどまるものではない。日本がその近代化を開始したばかりの時点で、台湾という植民地を持ったことが、いったいどのような影響を日本の近代に与えたのかという問いこそが重要であろう。
 だがそのことは、まだ十分明らかにされているとはいいがたい。
 たとえば日本の近代文学は、台湾における植民地支配と一見無縁の場所で形成されてきたようにみえる。だが、それはなぜそうなのか、そのことは日本の近代文学がどのような質を物語っているのかといった視点が、いま必要なのではないだろうか。そうした問いを考えることは、いまのアジアのなかでの日本のあり方を考えることと、けっして無縁ではないだろう。(p.75)
 1986年(20年前!)に書かれたこの文章。ポストコロニアルならぬポストインペリアルじゃん!

 それにしても、25ページには「『台湾を考えるむずかしさ』(近刊)」なんて文言があるけど、まさかまた10年待たされるんじゃあないでしょうね。
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by sarutasensei | 2006-06-07 18:12 | 読んだ本
●伊藤整『日本文壇史 16 大逆事件前後』(講談社文芸文庫)
●講談社文芸文庫編『日本文壇史 総索引』(講談社文芸文庫)
●平凡社東洋文庫編集部編『東洋文庫ガイドブック 2』(平凡社)
●ナディン・ゴーディマ『戦士の抱擁』(晶文社)
●福間良明『「反戦」のメディア史』(世界思想社)
●厚東洋輔『モダニティの社会学』(ミネルヴァ書房)
●植民地教育史研究会『植民地国家の国語と地理』(皓星社)
●『現代詩手帖 2006年4月号 追悼特集:茨木のり子』(思潮社)
●日本寄せ場学会『寄せ場 4 特集:釜ヶ崎10月暴動』(現代書館)
●東村岳史『戦後期アイヌ民族-和人関係史序説』(三元社)
●亀山郁夫『大審問官スターリン』(小学館)
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by sarutasensei | 2006-06-06 21:52 | 買った本

期待はずれ。

f0091834_262251.jpg●本橋成一『ナミィと唄えば』
※仕事の帰りにS劇場で。
 台北郊外のハンセン病施設の楽生院や、台東のプユマ族が住む南王部落のシーンはおもしろかったけど、あとは期待はずれ。まあ、800円だしね。
 
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by sarutasensei | 2006-06-05 22:26 | 見た映画(など)

迷信としての愛国心。

f0091834_244326.jpg●幸徳秋水『帝国主義』(岩波文庫)
※105年前の1901年に、30歳で書いた本。
帝国主義はいわゆる愛国心を経とし、いわゆる軍国主義を緯となして、もって織り成せる政策にあらずや。(p.19)
国民の愛国心は、一旦その好むところに忤うや、人の口を箝するなり、人の肘を掣するなり、人の思想をすらも束縛するなり、人の信仰にすらも干渉するなり、歴史の論評をも禁じ得るなり、聖書の講究をも妨げ得るなり、総ての科学をも破砕することを得るなり。文明の道義はこれを恥辱とす。しかも愛国心はこれをもって栄誉とし功名とするなり。(p.30)

 一世紀たっても、な~んも変わっていない。それどころか…
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by sarutasensei | 2006-06-05 22:26 | 読んだ本

ふらふらになって。

 朝、新宿のホテルをチェックアウトしてから、池袋のジュンク堂に行く。おととい、神保町の本屋で、期待していたほど本が買えなかったけど、やっぱりジュンクは違うね。2時間半ほどかけてゆっくりと棚をながめ、堪能した~。
 学生時代、京都から神戸三宮にあったジュンク堂のサンパル店(今はもうない)まで、阪急電車を乗り継いで、買い出しに行くのが楽しみだった。京都四条店も好きだけど、サンパル店は文学関係が妙に充実していて、井村文化事業社から発売されていた東南アジアブックスが、店舗面積からすれば不相応なほど揃っていた。みすず書房のコーナーも、あったんじゃないかな。
 サンパル店に行った後は、元町商店街の老祥紀(「記」じゃない方)で、豚饅頭を食べたなあ。ああ懐かしや。
 
 ジュンク堂で物欲を満足させた後、山手線→東京モノレール→飛行機→自家用車を乗り継いで、へとへとになって帰ってきたら8時過ぎ。明日は1時間目から授業だ…
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by sarutasensei | 2006-06-05 00:26 | 筆記
●松永正義『台湾文学のおもしろさ』(研文出版)
※学会会場で2割引で購入。「あとがき」にも書いてあるけど、近刊予告が出て10年目にして、待望の出版。
 学部の2年生のときに、ここにも収録されている「台湾文学の歴史と個性」を読んで、台湾文学を卒論のテーマにすることを決定した、アカコにとっては運命的な、そして衝撃的な論文。これを読むまでは、植民地時代に台湾人が日本語で文学活動を行っていた、なんて全然知らなかった。田中克彦の社会言語学や、在日の文学者の表現、それに竹内好の「中国の近代と日本の近代」など、そのころ興味を持っていたいくつかの事柄を、いっきょに繋ぐ切り口を見つけたような気がした。
 「目から鱗が落ちる」と言うけれど、何かが分かる快感って、本当に身体にひびく心地よさなんだと、実感したっけ。
 それにしても「あとがき」に、「今回校正のために全体を読み直してみて、正直のところ少しがっかりした」なんてこと、書くか?でもそこに書かれている、文学の可能性への幻滅は、アカコもよく分かるよ。
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by sarutasensei | 2006-06-03 22:03 | 買った本

期待はずれの神保町。

●韓東賢『チマ・チョゴリ制服の民族誌』(双風社)
●『日本の名著 幸徳秋水』(中央公論社)
●山路勝彦『近代日本の学術調査』(山川出版社)
●日本寄せ場学会『寄せ場 19号 特集:激動への期待と不安』(れんが書房新社)
●内澤旬子『センセイの書斎』(幻戯書房)

※明日の朝から始まる学会のため、上京。羽田からモノレールに乗ると、スーツ姿のおっちゃんの多いこと。クールビズじゃあなかったの?みんなネクタイしてるやん。アカコは普段の通勤で電車やバスに乗らないから、気がつかなかったけど、混んだ電車で隣に坐られると、臭~い人が多くて閉口。タバコ臭やらいろんなものが混じったニオイ…ヤアネエ。
 新宿のホテルに荷物を下してから、さっそく神保町へ。アクセスでサイン入りの『センセイの書斎』を買ったあと、内山書店、東方書店、東京堂、三省堂を回るけど、あまり収穫なし。地下鉄で新宿に戻り、紀伊国屋で『寄せ場』の最新号を見つけた。山谷労働者で虐殺された山岡強一について、池田浩士が一文を書いているのが嬉しい。
 これからシャワーを浴びて、明日のコメントの最終チェック。
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by sarutasensei | 2006-06-02 21:50 | 買った本

最後のユダヤ系知識人。

f0091834_27358.jpg●シグロ編『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(みすず書房)
※明日からの出張準備をそそくさと切り上げ、読みかけの本を読み終える。
 サイードの息子、ワディー・サイードの言葉が印象的。言うまでもなくこれはアメリカに限った話ではない。「愛国者」であることに、なんら疑問を抱かない「善良」な人々は、どこの国にも掃いて捨てるほどいるのだから。
どこの国でもそうかもしれませんが、アメリカという国ではとくに、どこへいっても愛国心が高らかに表明されるのにぶつかります。おまけに、アメリカにはいつも正義があり、たとえ誤ることがあったとしても、もともとの意図は善良なものだったという思い込みがついてまわります。こういうものを前にすると、わたしのなかにはアウト・オブ・プレイス的なもの、自分の居場所についての不確かさが、わき起こってくるのです。
よく見かけるのは、自分の国に一体化し、その体現者でありたいと望んで、何の疑問もなく満足している人たちです。(p.54)
 あとは、イスラエルの左派活動家である、ミシェル・ワルシャウスキーの発言(pp.142-151)がおもしろかった。
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by sarutasensei | 2006-06-01 23:24 | 読んだ本

残尿感?

f0091834_2114398.jpg●川村湊『文学から見る「満洲」-「五族協和」の夢と現実』(吉川弘文館)
※授業のテキストとして使用、再読。川村の本って、どれも表面的な分析にとどまっていて物足りない。喩えは変だけど、「残尿感」みたいなものかな?まあ、すっきりしないわけ。でも、満洲文学について、とりあえず概観するには、この程度の薄っぺらさで仕方がないのかもしれない。来週からは、岡田英樹『文学にみる「満洲国」の位相』(研文出版)を丁寧に読むことにする。
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by sarutasensei | 2006-06-01 12:17 | 読んだ本