アカコの備忘録。


by sarutasensei
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2006年 07月 07日 ( 2 )

●『前夜 8号 特集:「格差社会」の深層』(影書房)
※ようやく週末。収録されているカナファーニーの小説でも読むか。

 月曜日に見た『ホテル・ルワンダ』。なんとなく「気持ちの悪さ」が残っていて、まだグズグズと考えている。よくまとまらないのだけれど、フツ族とツチ族の対立を利用して統治していたドイツやベルギーの長年にわたる植民地責任はまったく言及されずに、フツ族の残忍さだけが前面に出ていること。むしろ西洋は国連「平和維持」軍として登場し、フツ族の暴虐からツチ族を守る役割(のみ)を演じていること、などなど。やっぱり腑に落ちないところいくつもあるなあ。
 まあ、おもしろい箇所を挙げるとすれば、西洋にとって、アフリカ人の運命などなんら問題ではないという「本音」を、「白人」の口を通して率直に語らせたところかな(だからアフリカ人がエイズでどれだけ死のうが、ぜ~んぜん関係ないのだ)。そうした西洋のアフリカ認識にもかかわらず、命がけで主人公たちを「救う」オリバー大佐の存在は、西洋の観客にとって、とても心地よいものだったんじゃないかな。そしておそらく、植民地責任なんか自分たちとはぜ~んぜん関係ないと思っている多くの日本の観客も、簡単に感情移入できたりして。

 北朝鮮のミサイル発射を、一番(か、どうかはさておき)喜んでいる一人は、安部晋三であることは、間違いないと思う。ひそかにガッツポーズでもしてんじゃないの。どうでもいいけど、「アベシ」「アベシ」って連呼されると、「北斗の拳」を思い出すのは、アカコだけかしらん?安部氏の秘孔を突いて、「お前はもう死んでいる!」って言ってやりたいのはやまやまだけど、こんなこと書くと、「凶暴」罪に問われかねないので、ミセケシに。「これで総理へ大きく近づきましたね」なんてヨイショする記者はいるはずないから、検証はできないけれど。あと、防衛庁のヒトビトや米軍も、日本にパトリオット(愛国者)を配備する格好の口実ができて、ホクホクだろう。
 そのほかにはイスラエルもね。発射に失敗したヘナチョコミサイルに、日本やアメリカがいきり立っている一方で、パレスチナを空爆しようが、民間人を「誤殺」しようが、一切おとがめなし。パレスチナに関しては、P-naviを参照。
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by sarutasensei | 2006-07-07 21:02 | 買った本

逃避する日々。

f0091834_1301545.jpg●小沢牧子・中島浩籌『心を商品化する社会-「心のケア」の危うさを問う』(洋泉社新書Y)

※関西から帰ってきてから10日も経つのに、なんか気が抜けて論文関係の勉強から逃避する日々。まあ、授業なんかも忙しいといえばそうなんだけど。
 テレビはほとんど見ないアカコでも、なにか「事件」が起こるたびに、「心の教育」とか「心のケア」とか「心の闇」とか、鬱陶しい言葉をやたらと耳にする気がする。この本は、そういったカウンセリングの危うさを論じたもので、いろいろ教えられることが多かった。典型的な「岩波」知識人である河合隼雄がやっていることも。
 ただ小沢が、河合が作成に関わった「心のノート」を批判するときに、「愛国心」への親和性を問題にするのは当然としても、「もちろんわたしたちは、生まれ育った土地に愛着を持つ。「お国なまり」になつかしさを覚え、ふるさとの味に親しむ。(中略)その気持ちは自然なものだ。」(pp.114-115)と言っているのは、まったく賛成できない。何の根拠があって、「その気持ちは自然」だと言えるのか?「その気持ちを」共有しない/できないのは「不自然」なのか?なぜ、そうした感情を「自然」だと感じてしまうのか?こうしたことに無頓着な文章って、アカコはぜんぜん駄目だと思うな。
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by sarutasensei | 2006-07-07 01:44 | 読んだ本