絶対オススメ本。
2008年 05月 05日
●川口隆行『原爆文学という問題領域』(創言社)
※原爆文学について、アカコはまったくの門外漢なのだけれど、「目から鱗が落ちる」快感を味わいながら読了。今年の上半期に読んだ本の中で、ダントツで刺激的な1冊。
とりわけ第二章の「朝鮮人被爆者をめぐる言説の諸相」が、アカコにはおもしろかった。以下の指摘などは、原爆文学研究には止まらない重要な問題だよね。
栗原貞子の「ヒロシマというとき」を中心に論じた第四章も、超オススメ論文。
※原爆文学について、アカコはまったくの門外漢なのだけれど、「目から鱗が落ちる」快感を味わいながら読了。今年の上半期に読んだ本の中で、ダントツで刺激的な1冊。
とりわけ第二章の「朝鮮人被爆者をめぐる言説の諸相」が、アカコにはおもしろかった。以下の指摘などは、原爆文学研究には止まらない重要な問題だよね。
「戦後日本」というナショナリティが、植民地支配、そして戦争という局限の異文化衝突・接触における、他者との壮絶な交渉の記憶を抑圧することで保障されてきたということ、そして問題が一層複雑で困難なのは、それが一過性のものではなく、他者との関係を取り結び他者の記憶を蘇らせようとする、そのつどそのつどの地点においてその試みをナショナリティ=共同性の語り口に回収しようとする巧妙な罠が仕掛けられていることにあろう。(p.98)
栗原貞子の「ヒロシマというとき」を中心に論じた第四章も、超オススメ論文。
by sarutasensei
| 2008-05-05 18:47
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