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アカコの備忘録。


by sarutasensei
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分かりやすいんだけど、どうかなあ。

分かりやすいんだけど、どうかなあ。_f0091834_5392516.jpg●清水美和『「中国問題」の内幕』(ちくま新書)

※現在の中国に対して、薄~い関心こそあれほとんど門外漢のアカコにも読みやすい一冊。
 簡単に言えば、胡錦濤の「共青団グループ」と江沢民を代表とする「上海グループ」の対立(近年は「太子党」が台頭)が、中国の政治動向を左右しているってこと。利権まみれ(「特殊利益集団」)の「上海グループ」が、日本の「歴史問題」や台湾政策で強硬な態度をとっているのは、より「清廉」な胡錦濤政権への牽制という意味もあるのだとか。

 ふ~ん、ナルホドねえと、教えられることも多かったのだけれど、いろんな現象が最高指導者たちの対立に還元されすぎているような気もする。まあ「内幕」論って、そもそもそういうものなのかもしれないけれど。

 あと、アカコが引っかかったのは、なんどか出てくる「国民感情」って言葉。
 党内の支持基盤を弱めた彼ら(-「上海グループ」-アカコ)は民衆に高まる排外的な民族感情と、それに呼応して台頭する党・軍内の強硬派に依拠せざるをえない。「歴史と台湾」を結びつけ日本を牽制する江沢民訪日(一九九八年)以来の手法は、日本の国民感情の反発を招き中国にとって得策ではない。(p.65)
とかね。
 でもさ、「国民感情」なんて先天的に存在するはずもなく、メディアや政治家によって創りあげられたものなわけやんか。ま、メディア業界で働く著者自身が、「江沢民訪日(一九九八年)以来の手法」に「反発」し、それを「国民感情」って普遍化したってことかもしれないけどね。
by sarutasensei | 2008-02-27 06:15 | 読んだ本