ぜんぜん知らんかった~。
2007年 07月 31日
●笹川裕史他『銃後の中国社会-日中戦争下の総動員と農村』(岩波書店)
※おもしろいです、この本。ていうか、アカコがぜんぜん知らなかったことばかりで。
日中戦争という「総力戦」を戦うにあたって、日本ほど「国民化」されていなかった中国の農村で、なにが起こったのかを、中国側の膨大な史料をもとに分析したもの。簡単にまとめると、こんなふうかな。
※おもしろいです、この本。ていうか、アカコがぜんぜん知らなかったことばかりで。
日中戦争という「総力戦」を戦うにあたって、日本ほど「国民化」されていなかった中国の農村で、なにが起こったのかを、中国側の膨大な史料をもとに分析したもの。簡単にまとめると、こんなふうかな。
社会もまた、同時期の日本のように、ナショナリズム(ここでは国民意識)によって強く縛られてはいなかった。ナショナリズムは、直接には教育とマスコミによってかきたてられる。経済的に遅れた中国、とりわけ奥地農村では、この教育とマスコミの普及もまた、きわめて不十分であった。沿海部から遠い四川省にあっては、敵の日本軍も身近な、眼に見える存在ではない。そのような状況では、国家の危機を救うために生命を捧げるのは当然だという論理は、実質的には少数のインテリにしか通用しなかったのである。だから、兵営から逃げ帰った人間が、日本のように「非国民」だとみなされることはなかった。というより、「非国民」という概念自体が、社会的に形成されていなかったといえよう。(pp.114-115)
by sarutasensei
| 2007-07-31 21:13
| 読んだ本