アカコの備忘録。


by sarutasensei
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「国益」ってだれの「益」?

f0091834_237485.jpg●井上寿一『アジア主義を問いなおす』(ちくま新書)

※「国益を守りながら、隣国との共存を求めるためには、日本とはどのような国であるのかを説明しなければならない」(p.238)んだって。
 
へ~「国益」ねえ。最近よく使われているようだけど、いったい誰の「益」のこと?普通に考えれば「国家の益」を指すんだろうね。でも「国益」と「私益」が一致する幸福な連中もいるだろうけど、シモジモにとっては全く相反する場合だって結構多いはず。まさか「国民みんなの利益」なんて、そんなうまい話を信じるほど、外交史を研究している著者がナイーブだとは思わないんだけど。まあ学習院の教授ともなれば、「国益=私益」組(所謂「勝ち組」ってやつ)なんでしょうかねえ。
 残念ながら、アカコは「低群」の一員なので、こんな言葉に騙されるわけにはいかないんだな。

f0091834_2374685.jpg●三木卓『砲撃のあとで』(集英社文庫)

※満洲からの引き上げ体験を題材にした連作集。





●富士正晴『帝国陸軍に於ける学習・序』(六興出版)

※『アジア主義を問いなおす』の第4章のタイトルは「侵略しながら連帯する」というものだったけど、そんなの不可能に決まっているさ。
 「侵略」って簡単に言うけれど、現場ではどのようなことが行われていたのかを淡々と書きつづった作品集がこれ。「国益」に反するからなのか、井上寿一は書いていないけれども、徴発・戦時強姦・慰安所などは、戦場のごく「普通」の一齣に過ぎなかった。作品が発表されたのは、1952年から1961年にかけてのこと。慰安所の存在は、近年になって朝鮮・韓国人や中国人、「反日左翼」によって捏造されたものではないことが、よく分かる。
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by sarutasensei | 2006-08-27 23:08 | 読んだ本